妊娠や授乳中の肌の変化に悩む女性は多く、特にシワや乾燥などのエイジングサインに対してどのようなケアをするべきか、慎重に考える必要があります。シワ改善クリームは多くの美容成分を含んでおり、妊娠や授乳期に使用しても安全なのか気になるところです。本記事では、妊娠・授乳中の肌の変化や、シワ改善クリームに含まれる成分の安全性について詳しく解説していきます。
1. 妊娠中・授乳中の肌はどう変化する？
妊娠すると体内のホルモンバランスが大きく変わり、それに伴って肌の状態も変化します。以下のような症状がよく見られます。
◇ 乾燥や敏感肌の悪化
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンの増加により、皮脂の分泌量が変化します。特に、乾燥しやすくなり、敏感肌になりやすい傾向があります。授乳中も水分が失われがちで、肌が乾燥しやすい状態が続くことが多いです。
◇ シワやたるみが気になりやすい
妊娠中や授乳中はコラーゲンの生成が減少するため、肌のハリや弾力が低下しやすくなります。また、睡眠不足やストレスも加わることで、シワやたるみが目立ちやすくなります。
◇ 肝斑やシミができやすくなる
妊娠中はメラニンの生成が活発になり、シミや肝斑ができやすくなります。これは、ホルモンバランスの変化によるものですが、シワ改善クリームに含まれる成分の影響で悪化する可能性もあります。
2. 妊娠中・授乳中に避けるべきシワ改善成分
シワ改善クリームには多くの有効成分が含まれていますが、中には妊娠中や授乳中には避けた方がよい成分もあります。
◇ レチノール（ビタミンA誘導体）
レチノールやトレチノイン（レチノイン酸）は、シワ改善や肌のターンオーバー促進に優れた成分ですが、高濃度のビタミンAは胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠中は経口摂取だけでなく、皮膚からの吸収でも影響があるとされているため、避けるのが賢明です。
◇ ハイドロキノン
シミやくすみの改善に用いられるハイドロキノンは、肌の漂白作用が強いため、妊娠中・授乳中は使用を控えたほうが安全です。海外の研究では、皮膚に塗布した場合の吸収率が比較的高いとされており、胎児や赤ちゃんへの影響が完全に否定されていないため、リスクを避ける方がよいでしょう。
◇ サリチル酸（BHA）
ピーリング効果のあるサリチル酸（BHA）は、角質除去に優れた成分ですが、高濃度のものは血中に吸収される可能性があるため、妊娠中は避けるべき成分の一つとされています。
◇ フタル酸エステル（フタル酸塩）
化粧品の香料や保存料として使用されることがあるフタル酸エステル類は、ホルモンに影響を与える可能性があるため、妊娠中や授乳中はできるだけ避けるべき成分です。
3. 妊娠中・授乳中でも使えるシワ改善成分
妊娠・授乳中でも安心して使用できる成分を知っておくと、シワケアの選択肢が広がります。
◇ ナイアシンアミド
ナイアシンアミドはビタミンB3の一種で、シワ改善や肌のバリア機能強化に役立つ成分です。刺激が少なく、妊娠中や授乳中でも安全性が高いとされています。
◇ ペプチド類
ペプチドは、コラーゲンの生成を促す作用があり、エイジングケアに効果的です。刺激が少ないため、妊娠・授乳中でも比較的安心して使用できます。
◇ ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は高い保湿力を持ち、乾燥によるシワを防ぐのに役立ちます。肌に優しく、副作用のリスクも低いため、妊娠・授乳中のスキンケアに適しています。
◇ セラミド
セラミドは肌のバリア機能を強化し、保湿効果を高める成分です。敏感肌にも優しいため、妊娠・授乳中の肌ケアに取り入れやすいでしょう。
4. 妊娠・授乳中のシワ対策のポイント
◇ 肌に優しいスキンケアを選ぶ
成分表を確認し、安全性の高いものを選びましょう。無香料・無着色・低刺激処方の製品が安心です。
◇ 紫外線対策を徹底する
妊娠中はシミやシワができやすいため、日焼け止め（SPF30以上・PA++以上）を使用することが重要です。ノンケミカルタイプのものが刺激が少なく、おすすめです。
◇ 十分な保湿を行う
乾燥はシワを悪化させる要因になるため、化粧水・乳液・クリームを使ってしっかり保湿しましょう。
◇ 健康的な生活習慣を心がける
睡眠不足やストレスは肌の老化を早めるため、十分な睡眠とバランスの良い食事を意識しましょう。特にビタミンCやE、オメガ3脂肪酸を多く含む食品（ナッツ類・魚・野菜）を摂取することが大切です。
まとめ
妊娠・授乳中のシワ改善クリームの使用には慎重になるべきですが、成分を選べば安心してケアを続けることができます。レチノールやハイドロキノンなどの強い成分は避け、ナイアシンアミドやヒアルロン酸など安全性の高い成分を選ぶことが重要です。また、生活習慣を整え、肌に優しいスキンケアを取り入れることで、妊娠・授乳中でも美しい肌を保つことができます。
